■ホッパーが走った「HERO'Sアダルト第1戦モトクロスヴィレッジ」


■お気楽ノンプレッシャー
仲間内のお遊び以外、ちゃんとしたモトクロスのレースに出るのなんて初めてなので、ものすごく緊張するかと思いきや、前の晩はテレビ見ながら美味しくご飯を食べ、10時前にはグーグー寝てました。で、3時ごろパッチリ目が覚めたので準備開始。俺はおじいちゃんかと。良く「レースの前日、緊張して眠れなかった」って話聞きますよね。あれ、自分に期待する根拠のある人がそーなるんだと思った。そもそも痛くて走れないだろうと思ってたし、走ったからといって結果残せる気もしなかったので、自分に対して超ノンプレッシャー、超ノンレム睡眠ですよ。最高に力の抜けた状態といえよう。

で、起きてバックパックにライディングギアを詰め、徒歩でFREERIDE MAGAZINE編集部へ。バイクは借り物だわ、トランポは便乗させてもらうわで、ある意味借り物競争な俺なのサ。でも、年の始めに「今年は厚かましさ全開でいろんなことをやりに行く!」とテーマを決めたのでいいのだ(いいのか)。モトクロスやりたいけどどうしたらいいか分かんない&先立つものが……と思ってる無駄に元気(これ重要)な若者たちよ、俺のようにおじさんになってから人を頼りまくるのはどうかと思うので、今のうちに近くの大人に迷惑をかけなさい。モトクロスやってるお店にノコノコ歩いて行って「モトクロスやりたいやりたいやりたい!」言ってれば、バイクの1台やトランポの空きくらい出てくるよ(←ノー根拠)。とにかく、まずは実際やらせてもらって、自分のバイクが欲しくなったら自然と金を稼ごうと思うようになるので、先に楽しみを知っちゃうことをオススメします。
話が逸れた。

現地に着いてみると、すでにパドックにはトランポが大集合。受付の時に聞いてみたら、初開催のレースにしてはエントラントの集まりもぼちぼちとのこと。レース参加者が楽しめる仕掛けをどんどんトライしていって、徐々に盛り上げていく模様です。今回間に合ったのはレースの進行状況や召集クラス、予選・決勝の結果などなどが見れる携帯サイト「レース情報NOW!」。大会本部にもしっかりQRコードが貼り出されてました。また、レース中に撮影された写真が本部テント内のモニターですぐに見れるのも面白い。レース前にパドックでされたインタビューも流れていた模様。

■練習走行
バイク降ろしてぼやぼやしてると練習走行が始まったので出撃。この頃はまだ朝飲んだ鎮痛剤が効いてなかったんで肩が痛い。特にジャンプ(といってもちょっと浮いてるくらいだが)の着地が。なので適当にして退散。それよりも先週火曜日に練習来た時とずいぶん土の感じが違うのね。アウトのバンクのあたり、火曜日はカチカチだったのに今日はなんか見た目にふかふかしていた。

■予選
で、どっちみち肩ヤバイから無理だなーと決め込んでいたら、徐々に痛みを感じなくなってきた。イケるんちゃう? ってことで試しに予選ヒート出てみることに。予選はいちおうレース形式。落とされることはないんだけど、実力以下のクラスにエントリーしているライダーを主催者側がチェックして、決勝前に昇格させちゃうのだ(係の人がコースサイドで直に走りをチェック)。一個下のクラスに出て前の方を走りたいライダーの気持ちはわかるけど、俺みたいなシモジモのライダーのことを考えてくれとると思った。初心者クラスが守られてないレースに新規ユーザー獲得はありえないのだ。守られないとどうなるかというと、モトクロス人口が増えない。バイク業界が縮小する。つまり、日本経済が不況に傾き、ひいては地球、いや銀河系全体が危機を迎えるといえるのです(ひきすぎ)。
火曜日にスタートの練習は何回かしたんで、初スターティングマシンもそんなには怖くない。予習重要。7台中2番手くらいで周りはじめて最後までそのまま。すると予選終了後に放送がかかって、1位のライダーがノービスからミドルへ昇格とのこと! さよなら#69石橋さん。そして、俺の手前まで昇格させる決断をしたアンリミテッド、グッジョブ!(力強く) 他にも、一緒に行ったTEAM DIRTCOOLのスチャラさんやアオチさんもミドル昇格くらって茫然としてました。判断の難しい通告だけど、ちゃんとこのシステムが機能していることが頼もしい。昇格させられてビリならまったく悔しくないじゃんね。果たして、ノービス参戦が謙遜とされる日が俺にはくるのだろうか……。
■決勝ヒート1

「スタートのコツ? 周りに誰も見えなくなるまでアクセルを開けてればいいんですよ」
……無理! しかし、極度の緊張でがちがちに固まった俺はアクセルを戻すことさえ忘れたようで偶然にもホールショット。あとは何があったか良く覚えてませんが(いっぺんテーブルトップで竿立ってヤバかったのは覚えてる)、気がついた時にはチェッカーフラッグが振られてました。……えええ? や、やったぁ! という微妙な感じで初レース初優勝。パドックに戻った時に言われた「いやー、のどかないいレースだったねぇ」という仲間の言葉が忘れられません……。のどかて! まぁそんくらいのペースだったってことですな……。

■決勝ヒート2
その後は、仲間のレースを応援したりご飯食べたりして午後のレースに備えます。某スチャラさんの不幸な事故をのぞき(詳細はたぶん次のDCで!)、割となごやかムード。眠いなー、と思っていたら場内放送が!
「スターティングマシンが壊れたので午後のレースはヘッドタッチ方式とします」
エンデューロとかで良くある方式ですね。左手はメットに触ってて、ゴーと同時にギア入れてスタートってヤツ。仲間うちで2~3速スタート決め込んでた人はがっくり来てたけど、俺的にはどっちでもあんまし関係ない。そんなことよりも……。俺、2ストのエンジンかけるのヘタくそみたいでして。決勝5分くらい前にプラグかぶらしちゃいました。ひいいい! とか言ってプラグ交換してエンジンかけるとまたかぶる。ヘタすぎる……。すかさず周りの人に助けを求めると「マシンはスタートに持っていくから、先にいってグリッド抽選してきな」と優しいお言葉。プチワークス体制ですよ。で、みんなに申し訳ないと思いつつグリッド抽選して待つ俺。他の人はマシンにまたがってヤル気満々だ。俺だけが徒競走みたいな状態です。そらそーだよ、バイクないんだもんなー! と、泣きそうになりながら突っ立っていると、パドックからFREERIDEの菓子男がCRF150Rにまたがってやってきた。どうやら、YZ85LWのエンジンはどうにもかからないらしく、これに乗れとのこと。スタートにいたオフィシャルに事情を説明すると、マシン乗り換え許可が出たのでギリギリでスタートに立てました(お待たせしちゃった皆さん、ホントごめんなさい)。
で、バタバタしながらヘッドタッチの準備。2ストと違う感じにとまどいつつアクセルを煽りながら待っていると、オフィシャルの旗が振り上げられる! そして、振り下げ……られない! つーかみんなスタートしてる。小学生の頃、「人の話を良く聞くようにしましょう」と6年連続で通信簿に書かれていたのは伊達じゃありません。旗が振り下げられたらスタート、というのは俺の勝手な思い込みなのです。完全に出遅れたんですが、4ストのすごいパワーでなんとか1コーナー4番手。なんだこりゃ、このバイク反則だよ! とか思いつつ、しばらく連なるように周回していて気がつきました。
"これ、このままじゃ順位まったく変わらないで終わるんじゃないか!?"
前々から色んな人に「モトヴィレはインインインでべったりがっちり守ってかないとダメ」と聞かされてはいたけど、正直ここまでとは……。ストレートを通過する時、外野が「アウトアウト!」と叫んでる気がする。そこで、スーパークロス映像風(脳内)にラインを変え、アウト側を通って立ち上がりで前に出ようとしてみると! 前走車が1台増えてました……。抜かれてんじゃん! 外野からは「そこのアウトはダメーーー!」と悲痛な叫び。一気に5位まで転落です……。そして、1・2位のマシンはどんどん先へ。3・4・5位は完全ダンゴ状態。ここでまた、なんかの雑誌に載っていた名言が俺の脳裏をかろやかにかすめます。
「前のマシンと同じラインを通っている限り、一生抜けない」
……そりゃそうだ。俺の後ろはしばらく誰もいない。これをいいことに、いろんなコーナーでアウト側のラインを試してみる。その感想。練習走行の時にアウト側のラインも走っておくべし!(当たり前?) 行ってみたら見た目通りやっぱりふかふかで、テクニックのない俺は加速して前に出るどころか逆に減速しちゃうところもちらほら。4ストじゃなかったら間違いなく遊んでるうちに置いてかれてたと思われます。そうこうしてると、前に2台連なってる状態なら、アウトからまわって2個目のコーナー入り口で2台の真ん中に割り込めそうな切返しを発見。しつこく試してみると……入れた! やたー。そんでまたしばらく追走。前に1台となるとなかなかアウトからでも前に出られない。しかし、ここで1台のバックマーカーが! 神光臨。当然、また前に2台状態ができあがるので、今度は違うところで割り込み。結局、この最後の割り込み直後にチェッカーが振られ、なんとか3位に入ることができたのでした。

■そして総合結果
レース直後は勝てなかった悔しさで「ぬー」となってはいたものの、後で冷静になってみると、1ヒート目よりも2ヒート目の方が断然レースした感がありました。そして、俺の初レースにしては上出来だったのではないかと思った。その後発表された総合結果では3位。トップが3-1で2位が2-2だった模様。くー。しかも、総台数の40パーセントが入賞ということで、俺はギリギリ表彰台に乗れず。一生に一度のチャンスかも知れなかったのに! さらにジャンケン大会でも勝負弱さをいかんなく発揮。でも、ヒート1のホールショット賞でグレープジュースもらったのでアッという間にご機嫌に。会場ではいろいろな方にも声をかけていただき、楽しく1日を終えることができたのでした。

次は3月11日の日晃スポーツランド。なんとか都合をつけて参戦していきたいと心底思った。次にするべきこと……それはバイクの手配だ!(←おそい) なお、今回予想外の結果を残すことができた秘密について、もうひとつエントリを書かねばなるまい、と思っています。そしてこれこそが、俺が今回の参戦で体験した一番シビれたことだったのです。近日中にアップの予定。すていつーん。そして、FREERIDE MAGAZINEでも会社の倉庫にバイク置かせてもらってる代償としてコラムを書くことになりました。タイトルは「愛と青春の竿だち」。あんな適当な文章を商業誌に載せるのはためらわれますが、次号から始まるのでそっちも見てね(宣伝)。
追記:帰りの車中で撮ってくれたハンディビデオの映像を見て衝撃を受けました。正直凹みました。あんなに遅いとは……。あーゆーもんは見るもんじゃないね。
写真提供:JKDPジンボさん。THX!