SEO TOOL
www.dirnupo.org

« THE WORLD OF ON ANY SUNDAY | メイン | JEC PROMOTION WEBSITE »

2008年03月28日

■BAJA CHICKEN 第12羽 「ハッピーエンドの可能性」

happyend.jpg
前回までのあらすじ:スーパーイントラレーシックによる近視矯正手術を終え、ようやく落ち着いてきた俺(セヌーさんは残念賞)。しばらくは激しい運動もできないわけだし、そろそろエントリーやらピットの手配やら何やらかんやら動かないとなー、と腰をあげようとしたところへ残念なニュースが飛び込んできた。リアルタイムで何かを記録していくことの恩恵とその意味とは。

jbl-motocrossJump.jpg

■リタイヤの現実

ある日の夜、「ミーティングでもしましょー」と訪ねた俺が見たのは五分粥減量により激ヤセしたセヌーさんだった。1~2週間で10kg近いハードダイエット。BAJA500、そしてこの後通常食に戻しながらフィジカルトレーニングへ移行するという予定だけが本人の正気を保っている、そんな風に見えた。俺はと言えば、体重差を埋めるべく毎日ガンガンに食っている。常に大盛り。ぷっくぷくだ。食欲のない時でも大メシ食らってるので、それはそれでしんどいのだがやはり減量中の人を前にするとさすがに申し訳なくなってくる。

というワケで、「まぁたまにはいーじゃん」とか何とか言いつつ府中にあるセヌーさん行き着けの焼肉屋ジュジュハットへ行くことに。セヌーさんの「(パクリ)…………に、肉……うめぇーーー!」の声を聞いてひと安心(←超無責任)。最近はアーブの手紙のせいでゆるベジタリアン化しつつある俺(←影響受けやす過ぎ)も、この時はまだお肉大好きだったのでぐいぐい食べながらBAJA話三昧。ライトはどーする、GPSはどーした、タイヤはブリヂストンムースで交換ナシがいい……などなど、冒険の打ち合わせを楽しむ。と、急にセヌーさんが何かを思い出してシリアスな表情になった。

セヌー「そうだ。ひとつ知らせておかないといけないことがあるんだ」
ホッパ「?」
セヌー「俺たちはプロテックスポーツのグループに混ざって行動するわけだけど、実際にレースを走るチームがいくつあるか覚えてる?」
ホッパ「確か4チーム……」
セヌー「正解。……だったんだけど、その中のひとり、ソロで参戦する予定だったO川さんが出られなくなった」
ホッパ「ええ! なんで!」

O川さんは2006年のBAJA500&BAJA1000、さらに翌2007年のBAJA500(ソロ)をすべて完走している経験豊富なBAJAライダーだ。今回の500にも昨年同様ソロでエントリー、同じWR-Fを使うこともあり、なにかとお互いに協力できそうな頼りになる人だった。それが何故?

理由はモトクロス練習中のクラッシュによる両足骨折だった。全日本開催にあわせジャンプが大きくなったオフロードヴィレッジでのアクシデント。ジャンプをがんがん飛んでいけるテクニックを持つO川さんだからこその事故だったのだろう。O川さんはそのまま地元の病院自宅近くの昭和大学病院へ入院。5月末までにバイクに乗れるほど回復できる見込みはなく、今回は残念ながら参戦見送りの決断をしたとのことだった。俺たちには早く社会生活に復帰できるよう祈ることしかできない。

■リアルタイムにレポートを書くということ

普通、雑誌なんかで目にするBAJA参戦記というのは、実際にBAJAを走ってきた人が日本に帰ってきてから書いたものだ。だから、ある意味安心して読める。ところが、アナタがいま読んでいるこのエントリーは、あくまでもリアルタイムレポートだ。なるべく起こったことをありのまま、次のことが起きる前にお伝えできるよう書いている。だから、(縁起でもないけど)BAJAで何らかのアクシデントにより俺が死に、あらかじめ渡しておいたID・パスワードを使ったセヌーさんが"最終羽 「残念なお知らせ」"をアップする可能性だってゼロとは言えない。素人がBAJAに挑戦することで、読んでるみんなも元気になったらいいなー、と能天気に考えてたのに結果的に読んでくれてた人の気持ちをブルーにしちゃったらどうすんだ俺?

reading_book_on_grass.jpg

まぁ、そこまでいかなくても、日本での練習中にちょっとした怪我をして参戦を諦めるという尻すぼみな展開になることだってある。なんとかスタートを切れたとしても「1km以内でリタイア」なんて結果になるかも知れない。そんな、カッコ悪いところを見せたくない、というプレッシャーはもちろんある。でも、俺もセヌーさんもそれは覚悟の上でやっている。だって、完走して戻ってきてから書かれたレポートよりも、こっちの方が結末が分からないぶん楽しいべ? いずれにしても、このお話がハッピーエンドに終われる保証なんてどこにもない。読んでくれてる人には申し訳ないけど、後味のメタクソ悪い映画を見たような気分にするかもしれないし、逆に気持ちの良い読後感の冒険譚をお見せできるかもしれない。

■俺たちには何もできないのだが……

oteage.JPG昨年のBAJA1000にサポート部隊で行っていたセヌーさんは、日本に戻ってきてから「現地に行っちゃうと情報源はほとんどない。だから、ダーヌポ見てメールしてきた友人から状況を知ることの方が多かったよ」と言っていた。エンセナダのホテルからなら、運が良ければインターネットにつなぐことができるかも知れない。プレランの模様やBAJAカリフォルニアでの生活をお知らせすることができれば最高だ(美味しいと評判のメキシカンとTECATEに撃沈されなければの話だけど)。

だが、いざレースが始まってしまったら、もう俺たちには何もできない。わき目もふらずに走って走って、どうにかゴールしたとしても、もんどりうって日本に転げ帰ってくるようなスケジュールだ。正確な事実をインターネットで知ったり、レポートをアップできるのは数日後のことになるだろう。「それじゃあ結局、生きて帰ってきましたレポートと変わらないじゃん」。その通り。だが、俺たちには何もできなくても、読んでくれているみなさんはBAJAで何が起きているかを常に知ることができる。「ライブ・トラッキング」を使えば。

■星はいつでも見ている

全レース車両に装着したIRC製トラッキング・デバイスから衛星経由で送られるデータを元に、現在地、速度、クラス別順位などをリアルタイムで表示するライブ・トラッキング。これは本来コース上に存在する一般道(スピード規制があるw)での速度違反をモニターするために、2年前?から装着が義務付けられたGPSを進化させたもの。これまでは主催者だけが見ていたエントラントの位置情報を、インターネット上で公開することにしたのだ。ダカールを始めとしたラリーレイドなどではすでにおなじみだけど(イリトラってヤツね)、SCOREでは今年3月に開催された2008 SCORE San Felipe250から導入、実際に運用された(San Felipe250のライブトラッキングページはコチラ)。

gps-sat.jpg

だから、俺とセヌーさんが今どこにいて、だいたい何km/hくらいで走っているのか、現地のサポート隊には分からなくても日本のみんなには丸見えなのだ。インターネットは無理でも携帯電話(または公衆電話?)はつながる場所もあるだろうから、トラブルで連絡がつかなくなったライダーを探すために、日本の友達へ連絡を取る、なーんてことが現実に起きるかも知れない。俺たちを示す点が動いてさえいれば大丈夫。もし、どこかで動かなくなったとしたら、それは何かが起きている証拠なのだ。(つづく